自己愛の問題を解決していくために必要なこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

こんにちは橋本翔太です。コロナの影響により今年は人の普段見せない嫌な部分をたくさん目の当たりにした人もいると思います。

特に春頃問題になった、買い占めの問題、マスクをしない人たちの問題、自粛警察など、複雑な思いを抱えていた人もいるはずです。

実はこれらの問題が自己愛の問題に非常に関係しています。

先日皆さんにお届けした自己愛性パーソナリティ障害についての動画ですが、こちらが大変好評でしたので、今日は、パーソナリティー障害まで行かなくても、自己愛の問題を抱えてしまう人は一体どのタイプなのかと言うのを交流分析からお話ししていきたいと思います。

●交流分析の基本的構え

交流分析とは心理学の1つです。心の問題を家族や人間関係の交流から読み解いていくもので、人生脚本や、禁止令など、心理学において大切な要素がたくさん含まれています。

ここでは交流分析の基本的構えをご紹介します。

人の人間関係を持つ基本的な状態は大きく以下の4つに分けられます。

私はオーケー/他人はオーケー

私はオーケー/他人は×

私は×/他人はオーケー

私は×/他人は×

人間関係において、そして自分自身のメンタル状態において1番ベストなのは私はオーケー/他人はオーケーと言う状態です。この状態にいる人は人間関係がスムーズに進み、また自己肯定感や、自分自身のメンタル状態、心の回復力であるレジリエンス。これらが全て良好に保たれています。

心理学の学びによって目指すべき場所はまさにここです。

●私はオーケー/他人は×が自己愛の状態。

自己愛の状態と言うのは、自分のだめなところやできないところを受け入れられない、いい自分しか他人から評価される自分しか受け入れられない、と言う状態です。

そして自分自身を受け入れることができないので、他人の評価に固執している状態でもあります。

これが行き過ぎると自己愛の状態になるわけですが、私はオーケー/他人はオーケーではない。というのが自己愛の人の構えです。

自分の間違いを認めることができず、自分の正しさの正義を振りかざし、相手を非難し、そして自分はいつも相手よりも上で行とします。

一見自己肯定感が高いように見えますが、実はこれは自分がオーケーではないと言う感覚からくる反動です。

●私はオーケーではないと思っているから、オーケーの自分を必死で見せようとする。

皮肉なことに、本当に私がオーケーと思えている人は、相手にマウントを取ったり、他人の評価に固執したり、自分の負けを認めなかったり、自分のできないところを認めなかったりする事はしません。

自己肯定感がしっかりしている人は、ダメな自分を受け入れることができるので、できないことはできないこととして素直に受け入れて改善していくことができます。

だめなことができないことが、自分自身の人格否定と結びついていないので、素直に受け入れることができます。

自己愛が強い人は、ダメな自分を受け入れられないのに、心の奥底では自分がダメだとわかっています。自分がダメだと感じています。これを絶対に感じたくないので、相手を蹴落としてでも、自分はオーケーであると言うことを必死で誇示します。

素直に自分のだめなところはできないところを受け入れることができれば、無理をして自分がオーケーであると周囲に対して虚勢を張ることも無いのに、それができないが故に、自己愛と言う形で、周囲を巻き込みながら、自分を守ろうとします。

●できない自分を受け入れれば、他人のできないも気にならなくなる。

例えば自己愛の強いお母さんは、子供にも完璧を求めます。できない子供を見ているとイライラして叱りたくなります。

しかしそれはできない子供に、できない自分を投影しているからであり、本当に問題なのはできない子供ではなく、できない自分に憤りを感じている自分自身なのです。

自分自身のできないを受け入れ、自分自身のだめなところを受け入れ、ダメな自分も自分自身の一部として受け入れてあげれば、子供ができなくてもイライラすることはなくなります。

自己愛が強い人は、ダメな自分は生きている価値がない。できない自分が死んだほうがいい。と言うような強い感覚を持っている場合が多いので、ダメな自分ができない自分を受け入れるのはとても怖いことなのですが、それを受け入れていかない限りは、周囲のできない人を責め続け、人間関係を破壊し、やがて孤独になっていきます。

だめだったら生きて生きてはいけないなんてことはないですよね。人間ですからできないこともあります。

そういう当たり前の部分を受け入れて、それを認めたくないところも自分である。全部ひっくるめて自分である。と言うことを受け入れていくことが、この自己愛の問題を癒していくことになります。

●動画でも詳しく説明しました。

いまいち掴めない方はぜひ動画もご覧になってください。交流分析の基本的構えも図を使いながら説明しています。

https://youtu.be/aab6uYyaflM